高専

高専ってどんなとこなのか現役高専生が徹底解説!

こんにちは、うたかたです。

この記事では高専ってどんなところなのかいくつかの項目に分けて紹介していきます。

 

高専という学校について

高専とは正式名称を「高等専門学校」といいます。

中学校を卒業したら進学することができ、卒業すると「準学士」の学位がもらえます。

準学士の学位は短大を卒業した人の学位と同じで、大学卒の人がもらう「学士」よりも1段階下の学位になっています。

 

ここからはいくつかの項目に分けて、もう少し詳しく高専について紹介していきます。

学校の制度はどんな感じ??

ざっくりいうと「高専は大学みたいな高校」という表現ができます。

どういうことかというと、高専は普通高校と比べると校則がゆるくて、自由です。

勉強する内容も「国語」とか「数学」とかの基礎科目だけじゃなくて、「経営戦略論」とか「プログラミング演習」とか「ロボット工学」とかの大学で習うような専門的な授業もあります。

ついでに在学期間も長くて、5年間になっています。

4年生、5年生は制服がなく、私服での登校になっています。

こんな感じで大学っぽいところなんですが、大枠は高校と似たようになっています。

例えば、授業は大学のように自分で好きなように授業を選択するのではなく、ほとんどの授業が高校と同じように必修になっています。(一部選択制の授業もある)

他にも、ホームルームがあり、基礎科目や特別な装置を使わない専門科目はそこで授業を受けることが多いです。

こんな感じで、校則がゆるかったり、専門的な勉強をしたりと大学っぽいところもありますが、授業の受け方などの高校的なところもあるので、「大学みたいな高校」だと思っています。

↓この章のまとめ↓

高校的なところ

・HRがあってそこで授業を受ける
・授業のほとんどは必修
・1年生〜3年生は制服がある

大学的なところ


・4年生以降は私服登校
・専門科目も勉強する
・校則がかなりゆるい
・留年がある
・最後の1年間は卒業研究をする

 

授業はどんな感じで進むの??

高専本科での全体的な勉強の進め方は以下の通りです。

1〜3年生:基礎科目+専門科目の基礎勉強

4〜5年生:専門科目

※5年生の後半は卒業研究がメイン
特に年明けからは卒業研究以外の授業はほとんどない

入学してから最初の2〜3年間でだいたいの基礎科目と専門科目の基礎勉強を終わらせます。

基礎科目は、「国語」とか「数学」、「世界史」とかそんな感じの普通高校で勉強するような科目です。

専門科目の基礎勉強は、3年生の後半〜4年生くらいから本格的な専門科目の授業が始まります。そのために、専門科目の基礎を固めておくのです。

例えば、私の学科では、簿記という比較的とっかかりやすい科目から授業を始めたり、情報系の授業で置いて行かれないように、2進数とかの情報系の初歩の知識を教えたり、プログラミングの基礎を勉強したりしました。

そして4年生、5年生は専門科目をやっていきます。ここで扱う内容は大学生が勉強する内容と同じなので、難易度はかなり高くなります。また、演習とかも出てくるので、実際に手を動かして理解することも増えてきて楽しくなってきます。

最後に5年生では卒業研究をやっていきます。5年生の前半は他の専門科目の授業を受けながらになるので、進みも遅いことが多いですが、年明けくらいからは他の授業がなくなって卒業研究だけになるので、自分のやりたいことに専念できます。扱うテーマは人それぞれですが、ちゃんと研究をして論文を書いて発表までします。発表は学内で行う場合がほとんどですが、1部の人は学外の学会での発表だったり、海外での学会で発表したりします。

 

さて、高専全体の勉強の進め方はこのくらいにして、ここからは1回毎の授業の進め方について解説します。

高専の授業では基本的に、教科書を使って公式や理論の解説を行います。演習問題とかは基本的に授業内で触れません。

で、授業が終わるとその日進んだ内容の演習問題が宿題として出されます。授業によっては、授業の最初に前回の授業の内容の小テストを出して理解度をチェックする場合もあります。この小テストも成績に含まれるので、真面目に取り組まないといけません。

専門科目になってくるとちょっと変わってきて、「授業の前半で解説、後半で演習、演習の結果をレポートにまとめて次回までに提出」という構成が多くなってきます。

というのも、高専の授業は100分間あるのですが、演習をやるような専門科目は2コマ連続や3コマ連続というように長い時間が確保されているものが多いのです。なので、解説を最初にやって、そのあと演習という構成の授業が増えるのです。

こんな感じで授業が進むのですが、僕が高専の授業を初めて受けて時の感想は「速い」でした。なんでそんな感想だったのかは簡単で、とにかく授業のスピードが速かったんです。

基礎科目では1回の授業で10数ページ進むのは当たり前でしたし、授業スピードが特に速い科目では、1回の授業で30ページ程度進むこともあるほどでした。これは高専が5年間で高校と大学合わせた7年分の授業を全部やろうとしていることが原因なんです。7年分の授業を5年間でやるんだから、そりゃ授業スピードも速くなるよねって感じです。

まあ、速いとは言っても気合い入れて頑張ればついていけないわけじゃないし、だんだん慣れてくるし、先生も100分間喋りっぱなしはきつくて休憩を挟むので、真面目にやっているのであれば、授業に全然ついていけなくて置いて行かれる心配もあまりしなくていいでしょう。授業中に寝てたり、スマホをいじってると流石に一瞬で置いて行かれるのでやめときましょう。

↓この章のまとめ↓

全体の授業の進め方

1〜3年生:基礎科目+専門科目の基礎
4〜5年生:専門科目
5年生:卒業研究

基本的な授業の進め方

・授業は公式や理論の解説だけ
・演習問題は宿題で
・専門科目は前半解説、後半演習、宿題でレポート
・授業のスピードは速い

留年ってするの??

高専では成績が悪いと普通に留年します。

具体的にいうと、各科目ごとの最終成績が60%を切るとその授業の単位が出ません。

選択科目でならば単位を落としてもすぐに留年になるわけではありませんが、必修科目で単位を落とすと即留年です。

こんな感じで条件が結構きついので、サボっていると割とすぐ留年します。

また、成績が悪くて留年する以外にも、1年間休学したり海外留学して留年というケースもあります。

特に高専は自由な校則ですし、僕の通っている高専は国際交流も盛んなので、海外の大学に留学したり、いろんなところに旅に行ったり、他の進路に進んだりして、入学時に44人いたクラスメイトも卒業時には37人になっていました。

世間では留年って聞くと悪いイメージしかありませんが、高専では前向きな留年もありますし、かなりの数の学生が留年するのであまり気にならなくなります。

 

あと、入学した時にいきなり留年生がクラスにいることがあります。僕が入学した時もそうでした。最初はちょっと近づきにくいかもしれませんが、声をかけてみると高専の制度を色々教えてくれたり、テストの過去問を持ってたりして良いこともあるので仲良くした方が良いと思います。高専は先輩と仲良くなっておくと色々便利ですよ。

高専って理系の学科しかないの??

高専は基本的には理系の学科が多いですが、文系の学科がないわけではありません。

高専での文系の学科は主にビジネス系の学科です。

これは基本的には企業の経営だったり、会社の組織についてだったりの勉強をする学科です。

ちなみに僕が所属している学科もビジネス系の学科です。ただ、情報系との両立を謳っている学科なので純粋な文系というわけではありませんが。。。

ビジネス系の学科は高専では珍しい学科なので、行きたい高専にビジネス系の学科がないこともあります。ビジネス系の学科に行きたい場合はどの高専にあるのかよく調べておきましょう。

 

これは雑談ですが、ビジネス系の学科は女子が多いです。僕の学科では入学時44人中35人が女子で男子が9人だけでした。ハーレムを楽しみたいならビジネス系学科に入学すると良いかもしれません(笑)

高専にはオタクが多いってホント??

これは本当です。

高専にはいろんなオタクがたくさんいます。入学した時にはオタク趣味に興味がなかった人でもだんだん侵食されていって、オタクになってしまう人がかなり多いです。

僕の学科でも、1年生の冬休みくらいからアニメがだんだん広がっていって、2年生の夏休み明けくらいからは普通にクラスでアニメの話をするようになっていました。男女関係なくです。

学校で堂々とアニメを見る奴もいたし、漫画やゲームを持ってきている奴もいました。寮には、壁にアニメのキャラやアイドルのポスターを貼っている奴がたくさんいて、オタクについて何か思うこともなくなっていきました。

今、オタクな人もオタクじゃない人も、そのうちみんな同じような感じになるので何も心配はいりません。

就職率が100%って本当??

高専は就職率がほぼ100%です。

就活は基本的に高専の推薦を利用して行うので、圧倒的に就職が決まりやすいです。それに、第一志望で落ちたとしても、また次の企業に推薦をしてもらうことができるのでほとんどの人がどこかの企業に就職することができます。

どこかには就職できるけど、第1志望に行けるかどうかは高専本科5年間の努力次第です。そこそこには頑張っておきましょう。

高専に向いている人

僕が実際に高専に6年間通っていて思った高専に向いている人は以下のような人です。

・自分で目標を決めて行動できる人

・好きなことに夢中になれる人

・要領がいい人

・行動できる人

こんな感じの人が高専に向いていると思います。

なんでそう思うのか簡単に説明していきます。

自分で目標を決めて行動できる人

高専では基本的に個人の自由が尊重されます。

なので周りからアレをやれコレをやれと、うるさく言われることは基本的にありません。良くも悪くも自由なのです。

だから、サボっていればトコトン落ちていくし、頑張り続ければどんどん上にいくことができます。

こういう自由な学校だからこそ、自分で目標を決めて行動できる人でないと高専で成功するのは厳しいです。

好きなことに夢中になれる人

高専は5年間あります。この5年間で何をやるかでどれだけ成長できるかが決まります。

自由な時間を使って何か熱中できる人じゃないと、高専にいくメリットは薄いんじゃないかなと思います。

要領がいい人

高専ではテストやレポートの量が多くてけっこう大変です。なので、要領よくいろいろなことをこなす必要があります。

行動できる人

高専は普通の高校よりも自由で、いろいろなことにチャレンジする時間がたくさんあります。でも、実際に行動してみないことには何も始まりません。

とにかく行動できる人が高専に向いていると思います。挑戦することはなんでも良いんですが、海外留学でもプログラミングでも投資でもいろいろやってみることができる人が高専に向いていると思います。

最後に現役高専生からのアドバイス

高専は自由で、就職率も良くて、進学も比較的楽にできる良い学校です。ただ、そこでどのくらい成長できるかは、5年間でどれだけ行動できるかにかかっています。

なので、高専の先輩として1つだけ言っておきたいのは「できることはやったほうが良い」ということです。

その時は別に必要じゃないと思っていても、後からあの時にやっておけばよかったなと思うことがあります。そうならないためにも、無理をする必要はないけど、できるんだったらやっておいたら良いと思います。